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コルビュジエのブリーズ・ソレイユに忍び込むインドの光 現地から送った「インド建築紀行」のブログ継続は、 「上海建築便り」のようにスムースには行かなかった。 アーメダバッドやチャンディガールから、 写真付のメールをケイタイで送るのが難しかったからだ。 ネット環境が未成熟というか、電波の状態が悪かったからだ。 とまぁー言い訳はこのくらいにして、 気温34.5度の騒音とほこりと雑踏のアーメダバッド市街へ繰り出した。 喧騒と雑踏のアーメダバッド市街(左) 朝から渋滞でけたたましいクラクション(右) 建築的には周知の名作がアーメダバッドにひしめいている。 曰く、コルビュジエの「サラバイ邸」「ショーダン邸」 「繊維業会館」「サンスカル・カラケンドラ」。 それにカーンの「インド経営大学」だ。 カタロニア・ヴォールトで有名な「サラバイ邸」は、やっと3回目で プールに水を湛えたこの家の真の姿を見ることができて嬉しかった。 この喜びは次の「ショーダン邸」に続いた。 現在「ショーダン邸」は住み手が公開しないので見ることができなったが、 偶然今回のインド旅行会社のアーメダバッド支店長が掛け合ってくれて、 外観だけを見ることができた。まったくの電撃的な喜びであった。 水をたたえた清澄なサラバイ邸(左) カタロニア・ヴォールトの内部(右) ショーダン邸正面側 「繊維業会館」に来ると、毎度のことながらコルビュジエは 自由にやりたい放題やっている感じがする。 ダイヤモンドと並んでアーメダバッドの代表的は産業であった繊維業界が 強力なパトロンになったからこそできた作品だ。 ただし今回は工事の関係で3階と屋上はクローズドで、見学不可だった。 「サンスカル・カラケンドラ」は市立美術館のこと。 コルビュジエの「ムンダネウム世界美術館」の構想から発展した 「無限成長美術館」のコンセプトを元に完成をみた作品だが、その通りにはいかなかった。 ピロティの中心部が空に抜けて、その横を“建築散歩”のスロープが 上昇するのはかっこいいのだが、中心部の池に水がなかったのが残念! カーンの「インド経営大学」は、文句なしにすごい。 暑さをしのぐ大振りの空間や、そこに穿たれた巨大な円形、 アーチ形の開口部などの迫力は圧倒的だ。 繊維業会館のスロープ越しに見た全景(左) サンスカル・カラケンドラのピロティ吹抜けを見る。池に水がない!(右) アプローチ・スロープ越しに見たインド経営大学 インドではムンバイのテロ以降、建物の警備がいっそう厳しくなった。 チャンディガールでは、「議会棟」は完全に見学不可。 「合同庁舎」は屋上のみ撮影可。 「高等裁判所」や「オープン・ハンド」はオーケーだった。 もちろん事前に申し込んでの話だが。 今回はその他、コルビュジエの協働者、ピエール・ジャンヌレの作品を見た。 一部「ロンシャンの教会」の雰囲気をもつ パンジャブ大学の「ガンジー・バワン」は、鋭角的なルーフがいい感じだ。 反射プールに水があったら、さぞ美しいだろうなと想像できた。 その向かいにも、ジャンヌレの「パンジャブ大学美術館」が インド砂岩の外壁とハイサイドライトでシンプルな佇まい。 その後やはりジャンヌレ設計の「コルビュジエ・センター」へ行った。 ここはかつてのシャンディガールにおけるコルビュジエ事務所。 今はセンターとなって、当時のいろいろな情報を展示・公開している。 非常に参考になった。 ガンジー・バワンも水がない(左) パンジャブ大学美術館(右) 平屋で長いコルビュジエ・センター チャンディガールはコルビュジエが完成させた唯一の都市計画。 京都のようなグリッド・パターンで緑が多い。 しかし建物形態が、間違えてしまうほど同じ形のものが多い。 街の建物にはポルティコがあって、強い日差しを遮っているのは素晴らしい。 人々は非常に気さくで、一緒に写真に入ってくれたり、 ジェーン・ドルーの集合住宅では、家の中まで案内してくれて、非常に親しみやすかった。 この日は最後の晩餐だった。 そこで飲みながら、僕の建築ツアー恒例の「建築ベスト3」のアンケートをお願いした。 今回見学した建築の中で、自分がベスト3と思われる建築を記名式で書いてもらった。 その結果1位はコルビュジエの「繊維業会館」(前出)、 2位は「ルダの階段井戸」、3位はカーンの「インド経営大学」〈前出〉であった。 街のビルにあるポルティコ(左) 街の人々とのスナップ(右) ドルー設計の住宅内部の食事スペース(左) ルダの階段井戸は地下数十メートルの深さまで下降できる(右) 帰国の日デリーの旧市街へ行き、力車に乗って生のインドを体験。 これは強烈だったが、エドウィン・ラッチェンズの「インド大統領府」や 「インド門」などを見て、壮麗な彼の建築で心をうるおして帰途につくことができた。 実り多きインド建築紀行であった。 離陸後、機内からみたデリーの街の光は走馬灯のように潤み、 流れ、消えて行った。さらば、悦楽的・豊饒的なインドの日々よ! デリーの旧市街の雑踏の中を力車の運転手はスピードで走る恐怖!(左) ラッチェンズ設計のインド大統領府の優雅で壮麗な姿で心を癒す(右) photos & text : Masayuki Fuchigami / Synectics inc. 建築写真の貸し出しも行っています。 お問合せはこちらのページ一番下の矢印→をクリックください
by archieditor
| 2010-03-16 15:18
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