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2月21日、 伊東豊雄事務所の設立40周年記念の式典に招かれた。 会場は自作の「座・高円寺」。 丸窓や丸い照明がフィーチュアされたきれいなこのホールでは、 ただ単に来賓の言葉、主賓の言葉、万歳三唱、 飲み食いのパーティといったお仕着せのものではなく、 伊東事務所が手作りで演出した知的な建築ショーであった。 混み合う受付風景(左) 丸い照明群が螺旋状に下降する階段室(右) ウエイティング・タイムは、 正面スクリーンに妹島和世さんがトークしているビデオを上映。 それが過ぎるとショーの始まりだ。 伊東事務所OBのアストリッド・クラインと曽我部昌史の両氏が、 司会役の着物姿で登場。華やかな和服のアストリッドの、 たどたどしい日本語が可愛いかった。 その後直ぐ、着流しの伊東さんと所員のバック・ダンサーの一群が登場。 開口一番「歌手生活40年の伊東です!」と笑いをとってから、 北島三郎の演歌「まつり」を大音声! バック・ダンサーたちも踊り狂っている! 会場全体はその迫力で圧倒され、笑いと興奮でさながら芸能ショー! 僕も伊東さんの名調子のカラオケは何回か聞いたが、 こんなパンチの効いた歌いぶりには度肝を抜かれた。 僕の後ろの席の古谷誠章さん、笑が絶えなかった。 妹島さんのトークが流れるウエイティング・ビデオ(左) 魅力的な和服のアストリッドと曽我部さん(右) 着流しで粋な伊東さんはメガネなしでアクションに挑戦(左) 所員のバック・ダンサーと一体となった伊東さん(右) 次は女性所員のアクティブなダンスがあり、 その後はグーッと知的になって建築セッション。 登場したのは藤森照信(聞き手)、磯崎新、石山修武の3氏。 テーマは「都市に対して閉じた住居」の話。 磯崎さんの閉じた住宅や、石山さんの「幻庵」、 伊東さんの「中野本町の家」などが話題になった。 その後は原広司vs塚本由春(聞き手)で、「これからのネット時代の建築」。 原さんは得意のヴォキャブラリー、「離散性」を用いて解説。 次は朝日新聞記者・大西若人(聞き手)vs仙台市長・奥山恵美子で 「せんだいメディアテーク」について。 奥山市長は「伊東事務所は役所を使うのがうまい!」。 そしてこのセッションの最後は、 伊東豊雄vs人類学者・中沢新一で「抽象」について。 中沢さんの経済的・哲学的解説は難解だった。 伊東さんが今年は建築塾を開くそうだ。乞うご期待! 壇上の藤森照信vs磯崎新+石山修武(左) 白衣の塚本さんと黒衣の原さん。ヘアはその逆だ(右) 建築セッションの締めは伊東豊雄vs中沢新一の両氏 最後は伊東事務所のOB全員が壇上に登場。 その数の多さに驚いたが、実際に活躍している建築家を 多く輩出しているのも伊東事務所の特徴である。 石田敏明、妹島和世、城戸崎和佐、曽我部昌史~などなど、 多くの優秀作品を生み出すだけでなく、 多くの優秀建築家も育て上げてきた伊東さんは、 まさに”建築家のインキュベーター“と見た! OB全員が登場すると舞台は狭いくらい 大団円は、現在の所員、伊東さん、 専務取締役の泉洋子さんたちの踊り。 泉さんの締めの言葉は素晴らしかった! ほろっとさせるような感じで、彼女自身の声も震えていた。 そして大喝采の後は宴。 時の過ぎ行くままに、美味しいワインと料理と歓談で、 記念すべき夜は更けていった。 踊る伊東さんや泉さん(左) As time goes by~(右) photos & text : Masayuki Fuchigami / Synectics inc.
by archieditor
| 2011-02-23 19:26
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