カテゴリ
以前の記事
2019年 11月 2017年 12月 2016年 10月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 03月 2015年 06月 2015年 02月 2014年 10月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
かつて見た懐かしい映画、 アラン・レネ監督の『去年マリエンバートで』を再見する機会を得た。 7月1日の日曜日、銀座のメゾンエルメスの招待映画会へ出掛けた。 ふだんは参加しなかったこの映画会、 さすがに『去年マリエンバート』となると食指が動いた。 映画観賞や麻雀に明け暮れた我らが青春の日々、 この作品はその晦渋に満ちたストーリー展開と、 現在と過去が交錯する映画作法の難解さで別格の存在だった。 光と影が織り成す『去年マリエンバートで』の代表的な庭園シーン フランス語を専攻していた僕の仲間たちは皆フランス文学かぶれ。 サルトルやボーヴォワールの文学・哲学はいうまでもなく、 ヌーヴェル・ヴァーグの先駆者トリュフォーやゴダールたちの映画や演劇に酔っていた。 そんな矢先、小説家アラン・ロブ=クリエがヌーヴォー・ロマンで登場。 『夜と霧』「二十四時間の情事』『去年マリエンバートで』などを発表し、 特にアンチ・ロマンの『去年マリエンバートで』は、 黒澤明の『羅生門』に影響けたロブ=クリエが脚本を担当。 アラン・レネ監督が超絶的難度の映画手法で、 ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した名作。 僕たちはこぞって見に行った。 だがその前衛性は僕たちの理解力を遥かに超えていた。 それは心の中のわだかまりとして、ずっと後を引いていた。 まさにスタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』と同断だ。 (こっちのほうが少しは楽) セイリグが黒い鳥の羽をあしらった衣装をつけた映画のポスター 銀座エルメスメゾンの映画室は、小規模で数十名の席数。 僕は前から2列目で、モノクロの美しい画面をバッチリ鑑賞することができた。 でも正直言って、今回もすべてを理解することはできなかった。 ただ長足の進歩をした自信はある。 幻想的なバロック様式の建築空間で、 ヒロインのデルフィーヌ・セイリグがまとう多種多様な素晴しい衣装を、 シャネルが担当したことは有名だ。 彼女のファッションを注意深く見ていると、 彼女とジョルジョ・アルベルタッツィの会話における、 コラージュされた錯綜する時間軸を解きほぐせそうであることが、薄々わかったのだ。 それにしてもふたりのアランは、よくぞ文学空間と映像空間の融合を、 こういう従来にない形式で提示してくれたものだ。 お陰で僕たちは青春の謎めいた断片を、 長々と引きずって生きることができているのだから! エルメスメゾンの休息室壁面の映画解説 写真をクリックすると大きくなります Photos&text : Masayuki Fuchigami / Synectics inc.
by archieditor
| 2012-07-10 06:27
| Event & Exhibition
|
ファン申請 |
||