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友人がふとしたことで 「上野毛教会」に入っているということを聞いたのは、 ある飲み会の席だった。 僕が建築ジャーナリストと知っていた友人は、 「その建築家は今井兼次という有名な方らしい」と教えてくれた。 僕は今井兼次氏が「上野毛教会」を設計しているとは知らなかった。 ただ長崎の「日本二十六聖人殉教記念館」や、 安曇野の「禄山美術館」は訪問したことがあった。 今井さんは周知のように、ガウディやシュタイナー、 ヨーロッパの表現主義の建築家を日本に紹介した人で、 一度は教育に専念したが、戦後再び設計活動を始めた。 ガウディに似た装飾的・彫塑的な作風で豊饒な空間を創った。 ガウディ・タッチの日本二十六聖人殉教記念館(左) 禄山美術館 photo: public domain(右) 遠い昔僕がまだ新建築社に勤務していた頃、 パーティに出席された今井さんを家まで送る役目を仰せつかった。 その頃今井さんはちょっと耳が遠かった。 「次は右ですか?」とか、 狭いタクシーの中で大声を張り上げた記憶がある。 そんな思い出があるだけに、 「上野毛教会」が今井さんの作品と聞いて、 僕のジャーナリスト根性がムラムラと起き上がってきた。 教会を見学させてもらったのは、3月20日の春分の日であった。 安藤忠雄氏が設計した「上野毛駅」からほど近い教会は、 環八から横道にはいると、白い十字架のある質素なファサードが、 正面遠くに見えた。 懐かしい今井兼次氏(本よりスキャン)(左) 横道の奥に顔を出した「上野毛教会」(右) 建物に近づくと切妻屋根の建物は妻入りで、 白い大きな十字架が円形のフレームに収まった感じで 妻壁の上部に配されている。 ポーチ部分は間口いっぱいの広さになっており、 側面のスティール製手摺子に可愛気な装飾が施されていた。 建物の正面左側奥に鐘楼が立ち上がっており、 頂部に十字架を頂いている。 白亜の壁面を木造でフレーミングした佇まいが 清潔感をにじませて素晴らしい。 道路に対してちょっと振った配置がいい感じだ(左) 白く清潔感のある鐘楼は気高ささえ感じられる(右) 可愛気なスティール製の装飾(左) 入口の扉にはハトのメタル装飾が(右) 内部の礼拝室は木造の柱と梁を露わにした表現。 これが白壁にバッチリ合う。 特に天井面に連続する多数の梁と、 祭壇背後の多数のストライプ状の木造壁面が 見事なアンサンブルを奏でている。 小さな木造空間の温もりが伝わってくる。 木造なので地震が気になったので神父さんに聞くと、 3.11では結構揺れたようだ。 だが天井裏に人が通れるような大きな空間があり、 そこにしっかりとした構造を入れ込んでいるようだ。 祭壇に近づくと、信者が活けたのか上品な生け花が供えてあった。 桜がほぼ満開となった祭日の午後、 僕は普段の生活では味わえない敬虔な気持ちで教会を去った。 礼拝室祭壇方向を見る。ストライプ・パターンが特徴だ(左) 静謐な祭壇の雰囲気をさらに気高く演出する生け花(右) 拝廊側(入口側)を見る。上部のギャラリーにパイプ・オルガンがある(左) パイプ・オルガンの左側にあるステンドグラス。殊の外配色が美しかった(右) 写真をクリックすると大きくなります。 Photos&text : Masayuki Fuchigami / Synectics inc.
by archieditor
| 2013-04-24 08:54
| Architecture
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