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「無極庵」 設計:田村芳夫/アトリエ・リガ・テ 新宿の百人町といえば今やコリアン・タウンとして広く認知されているが、 最近は中国人も多く、人種の坩堝と化した感がある。 しかしその猥雑な場所性や界隈性に魅力を感じる人は少なくない。 そんなアジア的な街の片隅に、ファサードに竹をあしらって 和風の雰囲気を醸した瀟洒な住宅が出現した。 アトリエ・リガ・テ都市建築計画の田村芳夫さんによる、 「百人町の家ー無極庵」のオープンハウスに出掛けた。 竹をルーバー状に用いたファサードは猥雑な街並みに和風のシックな抵抗を試みている 敷地は新大久保駅新宿よりの出口から数分のカル・ド・サック(袋小路)。 しかも背後の至近距離には高架の中央線が走り、その騒音は並ではない。 だがそこはよくしたもので、この計画は以前の木造2階建て住宅の建て替えであり、 そこに住んでいたオーナーは電車の騒音には比較的に慣れていた。 田村さんはRC造の開口部にT2性能(JIS)のアルミサッシュ+ペアガラスをはめ込んで、 電車のノイズをシャットアウト。かなり静かになっていた。 高密度に建て込んだ都市の隙間にデザインされた住宅は、 中庭に開かれた開放的な住宅となっている。 袋小路底の右手に座した「無極庵」のファサード 1階の玄関アプローチ。階段は2階へのアクセス。 右手の車庫は浅い池でそこに車をとめる 中庭回りは四周に開かれて開放的だ 高性能な遮音効果を発揮する開口部。正面の高架の上は中央線の線路 1階は玄関とオーナー夫妻の住居で、2・3階のメゾネット住居は息子家族、 3階は賃貸住居、2階に小さな事務所を配した複合ビルだ。 1階は中庭を中心に主寝室・ダイニング・キッチン・和室等が展開。 中庭側のガラス戸を開け放つとワンルームへと変貌! これが超開放的な快適アメニティー! 中庭のセンター・ピースとしてヒメシャラが抜群の効果を発揮している。 パーティ・小音楽会・茶会など、外部に気を使わずイベントを楽しめる。 廊下は床に桐を使用。 傷はつきやすいが空気を含んだ暖かい高級材。 内側の太鼓張りの障子も断熱効果抜群だ。 ヒメシャラを中庭中央に植え込みセンター・ピースとしている 開放した和室部分。 壁は彩色和紙、床は琉球畳、太鼓張り障子で部屋を仕切っている 中庭を見下ろす 中庭見上げ 2・3階も中庭の吹抜け空間に面して展開されている。 このLDKは1階の和風とは違って、壁はRC打放しと漆喰仕上げで、 リビングの天井はRC打放しと若い息子夫婦用の処理。 家具もコルビュジエのLCシリーズを居間に、 キッチンにはハンス・ヴェグナーの椅子を配している。 このダイニングは吹抜けており、3階のワークスペース(事務室)へと 垂直的につながっている。 大きな開口部を持つ2階リビング 2階より中庭を見下ろす 3階よりダイニングのお吹抜けを見下ろす 隣家越しに中央線が走っている 全階分吹抜けた階段室の最上階を出ると、 ウッドデッキが敷かれたワイドな屋上テラス。 百人町や新宿の猥雑な都市風景が眼前に展開する。 さらに間近の目と鼻の先を中央線や総武線などがひきりなしに往来する賑やかさ! 田村さんはこれも面白いと判断して、スティール&ガラス張りの防音壁を設置。 ここではパーティやいろいろなイベントが可能だ。 ただし電車から丸見えというのも面白い。 植栽には大名竹と黒竹が植え込まれて、ファサードといい屋上といい、 和風を代表する竹材を随所に散らした「無極庵」は、 騒音などをものともしない大都会のオアシスだ。 夏の宵、ビール片手に笹の葉をそよがせる夜風に頬をなでられながら、 眼前を突っ走る特急あずさや中央線を見る(相手からも丸見え)。 また楽しからずや! 竹を植え込んでも周囲の街並みは隠せない 遮音壁は出来たが目の前を列車が通って行く都会らしさ 屋上から中庭を見下ろす 建築家・田村芳夫さんは建築研究所アーキヴィジョンに長く勤務されて、 戸尾任宏氏の片腕として活躍された人。 戸尾さんの名だたる博物館建築では和風のエッセンスもしっかり学び、 自分の建築にも十分生かしている。僕の長い友達でもある。 久し振りに撮った田村さんと僕のツーショット Photos&text : Masayuki Fuchigami / Synectics inc.
by archieditor
| 2014-05-17 06:42
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