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かつて西池袋界隈の椎名町をはじめ、千早町、長崎、南長崎、要町周辺に貸し住居付きのアトリエが集まったいくつものアトリエ村が存在し、多くの芸術家が暮らし芸術活動の拠点としていた。このエリアを、詩人小熊秀雄は「池袋モンパルナス」と名付けた。これは1920年代、芸術の中心地であったパリ・モンパルナスをなぞらえたネーミングであった。 若き日の詩人・小熊秀雄(Photo: Public Domain) 今は亡き池袋モンパルナスの典型的なアトリエ村(Photo: ©oriiro) ![]() ![]() 「池袋モンパルナス」から去ること30年有余、先代のオーナーはこの地に当時ではモダンな集合住宅を建てた。それからさらに50年の歳月が流れ、建物は老朽化した。磯崎新アトリエ出身の建築家、岡由雨子氏がデザインした集合住宅「モンパルナス・プロジェクト」はその建て替えであった。 パリ生まれの岡さんは同地で建築を学び、さらに磯崎新アトリエで修行を積んだ建築家。岡さんは本場のモンパルナスに当然慣れ親しんでおり、「池袋モンパルナス」へのノスタルジーをもつオーナー三原氏との接点はこの辺りにありそうだ。 さて先日、オープニングの内覧会に行くと、副都心線千川駅から徒歩数分、「モンパルナス・プロジェクト」は住宅地の街角に白いシンプルな体躯を横たえていた。緩勾配の切妻屋根が南北に長く延び、その下を主軸としての高い開放的なヴォールト天井をもつ天空通路が貫いている。あたかもパリ・モンパルナスのパッサージュに入り込んだかのような幻想に囚われるのは僕だけではないだろう。 軒高を住宅レベルに抑えた建物 ![]() 道路よりエントランス通路を見る ![]() エントランス通路右側にあるレトロな木製郵便受け ![]() また東側中央部に切り込まれたエントランス通路はかなり広く、天空通路やその南北両端にある広場を含めると、この建物はパブリック・スペースのゆったりとした広さが余裕を感じさせるデザイン。植栽された樹木が茂ると「モンパルナス・プロジェクト」はさらなる魅力で人を招くに違いない。 ノスタルジックな薄暮の天空通路は素晴らしい雰囲気 ![]() 面白い屋根形の天空通路北方向を見る ![]() 天空通路の両側に異なる2タイプの住戸の玄関が見える ![]() シンメトリックなエントランスをもつふたつの住戸入口 ![]() 建物は全26戸(1F: 12戸/ 2F: 14戸)で、各34.4m2+ロフト6.7m2〜60m2+ロフト10.9m2の全5タイプがある。内部は白亜の空間に黒い細身の十字形サッシュや手摺を用いて、繊細かつ端正な内部の佇まいが印象的だった。天井高があるため1、2階にロフトを増床し、水回りコアを半階ほど上げて床下収納を取るなど、随所に工夫が見えた。 手摺子の黒い十字形スティールが空間を引き締める ![]() 水回りが階段上部にあり、その下に床下収納が見える ![]() 開口部の内外に黒い十字形スティール製の手摺があるリビング ![]() スティール階段でロフトにあるベッドに上がる ![]() 十字形の手摺子やサッシュでふと脳裏をよぎったのが「ルイス・バラガン自邸」の居間の開口部だ。「バラガン自邸」の大きな開口部には、黒いスリムな十字形スティール・サッシュがはめ込まれて、同じような静謐感をみなぎらせていたのを思い出した。「モンパルナス・プロジェクト」は、女性建築家の手によるフランス的エスプリを効かせた静かな佇まいが、かすかなレトロ感を滲ませて魅了する若者向きの集合住宅であった。 「バラガン自邸」の大きな開口部 ![]() 記念写真。右よりオーナーの三原基さん、建築家の岡由雨子さん、筆者 ![]() Photos except as noted: ©Synectics. (写真は特記以外©シネクティックス) text : Masayuki Fuchigami / Synectics inc.
by archieditor
| 2016-10-07 05:42
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